坂本です。
Crews Maniac Sound BLACKGUARD SERIESの第三弾、BLACKGUARD IIIが完成致しました。
1本1本、隅々まで舐め回すように、最終チェックを行っております。今回は、1952年スタイルのみ6本の限定生産となります。
特にブラックガード期のリアピックアップは、クリーンで歪みが少なく、サスティーンのあるサウンドが特徴であります。この時期のピックアップは、かたちは若干異なりますが、ラップスティールのピックアップと同じコイルを用いて巻かれております。
ハワイアン等の演奏には欠かせない、クリーンでサスティーンの効いたスライドサウンドをイメージして頂ければ良いかと思います。
レスポンスが早く、明瞭なトーンを持つアッシュボディーに、メイプルワンピースネックの硬質なトーンに、前記のようなピックアップがマウントされているのが、BLACKGUARDのテレであります。
アタック感の強い、クリーンでファットなサウンドは、アッシュボディーとメイプルワンピースネックと相まって、非常に発音の良いトーンなります。
そこに手強さを感じる方も、多くいるかと思いますが…….
そういうテレを作りたかったのです。
手強くても、いいんです。
それが、BLACKGUARDのサウンドなのです。
ゆえに、トーンを絞った時のミッドが上がってくる感じや、フロントピックアップのスウィートさもこの時期のテレの魅力であり、どちらのサウンドも、甘く芯のあるトーンを奏でます。
以前にK&T Pick Upで、1961年当時にラップスティールのピックアップに使用していたレアコイルが入手出来て、T-61 Tというピックアップを製作をして頂きました。
コイル自体の入手が極めて困難なため、年代的には多少新しくはなりますが、“ ラップスティールのコイル ”ということで、今回6セットまで製作可能とのことだったため、T-52 Tの製作をK&T高野氏に依頼致しました。
ここまでくれば、本来は内部配線はクロスワイヤーですが、現在の材の質や金属パーツ等を含めた失われたトーンを考慮し、ピックアップワイヤーと配線は全て、ヴィンテージベルデンワイヤーを使用しております。
ブリッジは前回制作時より薄めのもので、サドルはルックスとサウンド、そしてピッチの良さを優先し、GOTHO社製 In-Tune BSを採用しております。
アッシュ材も温暖化等、世界的な気候の変化に伴い入手が厳しくなり、近い将来高級材になり、高価な楽器にしか使用出来なくなるとの話もございます。
1952年にフォーカスし、今年52歳なる私が、52サウンドを追求した、“BLACKGUARD III”です。
そんな状況の中、こだわりとワガママで製作したBLACKGUARD IIIを、是非、手に取って頂ければと思います。