先日、Kemperをメインにしたシステムを構築する、という動画をYoutubeにアップしました。
そのシステムに取り組んでいく中で、お客様が「クラプトンみたいな音とか…好きです」と仰っていたので、そんな感じのRIG(プリセット/音色)でサンプルセッティングを作ろうかな、と思っていました。
が、Kemperのプリセットを探していくと、なかなか都合の良いRIGが少ない事に気づきました。なんと言うか、フルストローク/フルピッキングだと良い感じなのですが、ソフトなピッキングや指で弾いた際にニュアンスが出にくい。特にクランチで(私的に)調子の良い音が見つかりません。
そこで古いマーシャルの音をプロファイリングしてきました。
折角ならいくつかマイクも変えてみようと思ったのでAudix i5とRoyer R121、Sennheiser e906の3種類を持ってライブハウスへ。
それと、特に古いアンプのプロファイル事には必須のbuffoutを持ち込みます
何に使うかと言うと、アンプの手前に繋いでアンプへの出力インピーダンスを調整します。
通常、KEMPERのダイレクトアウトからプロファイリング先のアンプに信号を送る訳ですが、ギターからアンプに直結した際に比べると、やや暗めの音色になる事があります。おそらくレベルやインピーダンスの問題だと思うのですが、なんとなく気持ち悪いのでbuffoutを繋いでアンプへの送りレベルとインピーダンスを自分の都合の良い(自然に聞こえる)設定にしました。これは結構、効果があります。
それと、ノイズキャンセリングヘッドフォン。これはあるととても便利です。アイソレーションルームが無くてもマイクを立てるポイントを探る場合などに役立ちます。コンソールルームがあるスタジオでも行ったり来たりする手間が省けます。
と言うわけでプロファイリングして持ち帰り。会場で鳴っていたイメージに合わせて微調整します。私の場合はその場でプロファイリングの微調整を行うよりも、一旦リセットしてから出ていた音を思い出して調整したほうが良い結果になります。完全にプロファイリング対象のアンプの音に似せると言うよりは「あのアンプはこう言う音でこんな感じの挙動だよなー」という具合に適当に調整します。そのほうが使い勝手が良いからです。
と言うわけでRIGが10個くらいできました。マイクを変える事で、マーシャルを愛用してきた多くのミュージシャンの特定の時代の音に似せることができたり、なかなか面白いです。
その中から一つをご紹介。
マーシャルの1967-68 Super Tremolo 100+1968ごろの1960AにAudix i5を立てた音です。buffoutはハイ・インピーダンス側に割と振っています。本当になんの変哲もない、普通の音ですが、楽器の特性がよく出ます。
Crews Vintage Line ST64 HUGHとBlackguard, Reunionで弾き比べていますが、きちんと楽器の特性がわかります。また、ピッキングに対しても正しくゲインが変化して使いやすいと思いました。
このリグを使ってお客様のKEMPER+ルーティングシステム(MIDIコントロール)の基本システムを作っていきます。
ちなみにフーチーズでKemperをお買い上げ頂いた皆さん(これから購入はもちろん、以前購入された方でも)ご希望あればRIGを差し上げますのでお知らせください。これから購入される皆さんには勝手にインストールしておきます。必要なければ削除できます。
折角なので動画で使用したRIGをKEMPER RIG EXCHANGEに上げておきます。地味なヴィンテージアンプ素材ですが、意外と使えると思います。当店以外でKEMPER購入の皆様も使ってみてください。
RIG名称: HCS MST100/H-IMP/i5 で検索してください
https://www.kemper-amps.com/rig/exchange