Crews VINTSGE LINE STシリーズに
ニューモデルが加わりました
このモデルはかねてからオーダーがあった「ビッグネック仕様」をレギュラーで採用しています。ビッグネックに関しては「Huge Neck」「Ex-Fat」「Big Neck」など呼び方は様々ですが、1960年台中期に存在するレギュラーよりも「やや厚みのある」ネックグリップのことを指します。このネックの特徴は本数が少ないから貴重…云々ではなく、同年代のSTモデルと比べても明らかに音が違うことにあります。良い悪いではなく「違う」という事です。
JMがSilver Skyでサンプルにしたネックもそうですが、63-64モデルにしては随分ネックに厚みがあるなぁ、と思われた方も多いと思います。プレイアビリティー=弾き心地に関してはおそらくもう少しスリムなネックシェイプを好まれる方もいらっしゃるかもしれませんが「そのデカネックの音」を手に入れたい場合には、文字通り、このネックと向き合うしかありません。今回は「2 JUN 63 B」のネックをサンプルに制作しました。
もちろん指板材にはブラジリアンローズウッドを採用。近年、いよいよ本当に入手が難しくなってきました。貴重な材なので本当は切削が少ないスラブボードでいきたいところですが、音を重視してラウンドボードに加工しています。もちろん、ラウンドボードといっても指板面には十分な厚みを持たせています。
このネックの特徴はローポジションや3-4弦の9フレット付近で違いを感じることができます。バリっとした立ち上がりのテキサスブルーズ風サウンドというよりは、もう少し奥行きと深みのあるサウンド…空気感のあるサウンド、とでも言いましょうか。そこが大きく違います。
ピックアップにはK&TのカスタムワウンドHS-64を搭載。K&Tレギュラーにはない仕様です。64年はグレイボビン/エナメルワイヤーとブラックボビン/フォームバー(稀にグレイボビン/フォームバー)が混同する年台ですが、HS-64はグレイボビン/エナメルコイル仕様で製作されています。しかもコイルはFATを指定(コイル皮膜の厚さです)する事で、キャパシタンスが減り、スピード感と濁りの無いクリスピーなサウンドに仕上げてもらっています。K&T高野さんはこの辺りの説明を非常に理論的に説明してくれるのですが、なによりも音です。説明通りの音が出ている事に感動します。このピックアップは65的シャープさと、フォームバーの64より少しパワーのあるサウンドが持ち味。ビッグネックと組みわせる事でストロークからソロまで、バーサタイルに対応します。
現代的なミュージシャン…スーパークリーンからブリッジピックアップでファズサウンドまでを網羅したいギタリストにはうってつけのギターに仕上がりました。是非、手に取ってお試しください。