前回までは真空管アンプの説明では聞きなれないBlackstarならではの機能や用語に関して説明してきました。皆さんも徐々にこのアンプの面白さに興味が出てきている事でしょう
しかしこのHT40 CLUB MKOIIIはリアル真空管アンプなのです(忘れてませんよね?)
「真空管アンプ」としてのサウンドが良くなければお話しになりませんよ
まさに”ブティック”なクリーンサウンド
HT40 Studioの製品説明にもありますが、まず注目して頂きたいのがクリーンチャンネルのサウンドです。シンプルなコントロールながら、クラシックなクリーン・トーンから少しだけサチュレーションした絶妙なクランチ・トーンまで、幅広い音作りが可能です。チューブアンプならではのコンプレッションやクランチが心地よく、モチッとしたブティックなクリーンサウンドが嫌いな人はいないでしょう。搭載されたセレッションスピーカーのフラットな特性も併せてトーンの効きが非常に良いというのも重要なポイントです。
VOICEスイッチでクリーンチャンネルのキャラクターを決める
VOICEスイッチがOFFの時はヘッドルームが大きく、歪みにくいサウンド。前記した様にフラットな音色特性ですが「冷たい感じ」はありません。ペダルフレンドリーなのでディストーションやFuzzなどを大音量で鳴らしたい場合にも大変都合が良いと思います。
Voiceスイッチがオンになると、ヘッドルームが満たされてやや歪み成分が足された様な雰囲気に。これはアンプ直結で演奏する皆さんが求める「クリーンサウンド」だと思います
カッティングやブルージーなフレーズ、シングルコイルで掻き鳴らしたい時に最適ではないでしょうか。ちなみにクリーンチャンネルにはMID EQがありませんが十分なサウンドメイクが可能です
英国的であり米国的でもある”OVERDRIVE”
OVERDRIVEチャンネル(以下ODチャンネル)はクランチサウンドからザクッとした「深いアンプディストーション」サウンドまでを生み出します。OD STYLEスイッチはOFFでクラシックなヘッドルーム感のあるサウンド、ONでモダンアンプ・ハイゲインが得られます。さらにODチャンネルにもVOICEスイッチが用意されており、OFFでフラット/ONでややミッドがスクープされた明るいサウンドが得られます。このコンビネーションで様々なドライブサウンドが得られます。OD STYLEをON+VOICEもONで最も深いディストーションサウンドが得られますのでハイゲイン好きな皆さんはお試しください
EQ + I.S.F トーン回路
4バンドのEQに加えてブラックスターならではの特許である「I.S.F」(Infinite Shape Feature)コントロールにより、幅広いサウンドメイクが可能です。ISFをご存知ない皆様にご説明するとすれば
- I.S.F.はブラックスターのオリジナルコントロールです
- I.S.F.はパッシブ回路で、パラメトリックEQではありません
- トーンコントロールとI.S.F.は相互作用し、トーン回路全体のサウンド/レスポンスに作用します
- I.S.F.コントロールは無段階/連続可変します
という事になります。
簡単に言ってしまえばアメリカンアンプの代表的なトーン回路と英国アンプの代表的なトーン回路を無段階に行き来することができる、という事になります。色々なアンプを知っている皆さんであれば直ぐに求めるサウンドにダイヤル出来ると思います。あまりアンプでの音作り経験がないという皆さんはまず、低めにGAINをセットして、EQをフラット(時計12時方向)にセットしてください。そしてISFゼロ位置とフル位置での音の違いを体感してください。あとは好みのGAIN設定、EQ設定を行うだけでOK。大体求めているサウンドが得られるはずです。
- メタルサウンドならGAIN12時方向でISFはゼロ位置、少しだけEQのMIDをカット
- ロックサウンドならGAIN12時方向でISFは10位置、EQはフラット。そのままGAINを下げれば70’sロックサウンドに
- アメリカン/ブルース的サウンドであればGAINを下げてEQはフラット、ISFはゼロ位置にセット
ピックアップによってハムバッカーならEQのMIDを少しカット、シングルコイルならMIDを少しブーストしてみてください。程よいクランチも良いですが、あえてアンプではGAINを高めにセットし、ギター側のボリュームを絞っても…良いと思います
いかがでしょうか。
次回はその他機能とライブ/レコーディングでの活用法をまとめてみます
村田
店頭でもお試しください
次回に続きます・村田