フリーザトーンより発売となるOVERDRIVELAND(ODL-1とODL-1-CS)をメーカーよりお借りし、サウンドサンプルを作成しました。こちらからご覧いただけます
スタンダードモデルはクリーンからハイゲインまで一貫した弾きやすさがあり、ロックサウンドにおいて活躍すると思います。ゲイリームーアやサンタナ的ロングトーンを好む皆様にもマストかも
カスタムショップモデルはオープンで繊細なサウンドで、カールトン/ロベンやJMのイメージ。クリーンサウンドにこだわる現代的なギタリストにはたまらないサウンドではないでしょうか
このペダルはダンブルOverdrive Special(以下ODS)の後期型からインスパイアされてデザインされたとの事。「ODSの後期型」という…この辺からもうマニアックというか、しっかりとした製品開発コンセプトを感じさせてくれます。
以前私もデジマートのDeeper’s Viewという連載企画でご紹介しました。
実際にODSには様々なバージョン(時期)があります。
- 初期型:トーンスタックがフラットでクリーン。ジャズやサーフ系のサウンドに最適
オーバードライブサウンドはインプットゲインとの兼ね合いで決まり、それほど深くない歪み
使用パーツの多くがフェンダーアンプなどからの流用品
ロゴはインレタなどハンドメイド感が強い - 中期型:トーンスタックが進化し、ややグラッシーでフェンダー的なミッドレンジにも対応
オーバードライブセクションが進化。かなり深いリードサウンド(サスティーン)が得られる
流用パーツに加え独自発注のトランスなども採用
ロゴは印刷になる - 後期型:個人顧客向けアンプからある程度仕様を固めてどんなミュージシャンにも対応できるスペックを持たせていく。EL34仕様のアンプも稀に存在。低域がタイトになり、ゲインが増加/ロック色が強くなる印象
ミッドレンジのニュアンスがモダンになり、非常にスピード感のあるクランチながら倍音が伸びる独自のODSサウンドになる
さらにトーン回路にもHRM, Skyline, bluesmasterなどと呼ばれる幾つかの仕様がありますが、ダンブルの制作時期によってそれらが変わる、というよりは、発注先からのオーダーによって使い分けている様な印象です。現に10数台のダンブルを販売し、修理預かりではさらに数台のダンブルアンプを見てきましたが、(ODSに関しては)基本回路は大きく違いませんでした
基本的にはFree The Toneの商品説明にもありますが、ノーマルチャンネルではクリーンなんだけど少しだけ歪んでいる(サチュレーションしている)サウンドと絶妙なコンプ感があり、ドライブチャンネルではクランチから深く、驚くほどロングサスティーンが得られる(しかもローノイズ)というのがODSの特徴だと思います。このコンプ感がドライブチャンネルにも影響するので、ダンブルアンプの個体によっては信じられないほどスムーズで深いサスティーンが得られました。ただ、それが「良いか否か」は演奏するプレイヤー次第です
昨今様々なダンブルライクペダルが存在していますが、おそらくほとんどのペダルアンプは実際のダンブルを数台のみしか参考にしておらず、中には回路図だけでその動作を模しているモノも多いと思います
Free The Tone OVERDRIVE LANDの開発において最も参考にしたのが”OVERDRIVE SPECIAL”の文字がデジタルフォント時代の個体との事で、ダンブルサウンド/トーンの中でも時に人気のあるカールトン/ロベンが愛用する時代の個体です。ジャズにもロックにも対応できる幅広さが好まれる理由ではないでしょうか。ダンブルサウンドを好むプレイヤーが求める「らしさ」を非常にうまく表現していると思います。
カスタムショップモデルが10月21日に発売に、スタンダードモデルは少し先の12月21日発売となります
*カスタムショップモデルも限定生産品ではなく、継続して受注可能です
いずれもご予約を受けつけております。お気軽にご相談ください。