こんにちは、橋川です。
【その7】ナット幅、気にしたことありますか?!
今回はアコースティックギター本体に話を戻して、ナット幅のお話。
皆さま、お持ちのギターのナット幅、どれぐらいのものをお使いでしょうか?「ナット幅?いくつだっけ?!」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回はごく一般的なナット幅とその特徴をお話させていただきます。
ご紹介させていただくのは、いずれもMartin社で採用されているナット幅で、国内ではミリ換算し、各社近しい数値で採用しています。
【ナット幅 / その1】約43.0mm(1 11/16インチ)
一般的にスタンダードなナット幅です。
多くのギターメーカーに採用されており、握り込みやすく、ローコードを押さえた際に親指で6弦を押弦しやすいのも特徴です。
弾き語りで好んでお使いの方も多いですね。
【ナット幅 / その2】約44.5mm(1 3/4インチ)
43.0mmのナット幅に続き、多くのモデルに採用されているナット幅です。
43.0mmより幅が広いため、左手の運指の際に他の弦に触れにくく、ストレッチフォームなども押さえやすいのが特徴です。
実はナット幅が広くなることにより、ブリッジの弦間ピッチも広くなっているモデルもあります。
【おまけ】ブリッジ弦間ピッチとは?
ブリッジの弦間ピッチとはここの事。
ナット幅43.0mmモデルには、おおよそ55mmの弦間ピッチが採用されています。ところが、44.5mmのナット幅のモデルには、弦間ピッチ約55mmのものと、もう少し幅の広い約58.5mmのものがあるのです。
「えっ?それってどう違うの?」という声が聞こえてきそうですが、ブリッジの弦間ピッチが広くなることで、右手のフィンガリングのしやすさが変わってきます。
画像では分かりづらいですが、左が弦間ピッチ「約55mm」、右が「約58.5mm」のモデルです。数値にすると少しの差ですが、このように指を入れた感覚も異なります。
この辺りは好みですが、違いを体感してみるのも良いかもしれません。
【ナット幅 / その3】約47.6mm(1 7/8インチ)
あまり見かける事はありませんが、クラシックギターのようにスチール弦モデルとしてはかなり幅広なナット幅です。
フィンガースタイルで演奏される方に人気のある幅です。ここまでナット幅が広いと、ブリッジの弦間ピッチも58.5mmの幅広いタイプが採用されます。
この広いナット幅のモデルは、ほとんどがスローテッドヘッドを採用しています。
ナット幅が広くなることで、ネックが比較的太く、サウンドにもかなり影響を与えます。あまり弾く機会がないかもしれませんが、出会った際はぜひチェックしてみてください。
次回は、こだわる方も多い「ブリッジピン」をご紹介したいと思います。
橋川