こんにちは、橋川です。
ストックも残りわずかとなってきた「K.Archery Guitars」。今日はとても珍しい個体をご紹介させていただきます。
製作数も少ない「KD-3」のレア仕様モデル。
シリーズの中でも最も製作数の少ない「KD-3」。
「3シリーズ」は、比較的柔らかめのイングルマンスプルースをトップに採用したモデルです。”柔らかい”とはいえ、厳選されたイングルマンスプルースでしっかりした材料の印象です。
比較的柔らかめのサウンドを狙っており、フィンガースタイルにお勧めです。もちろんストロークでも軽く立ち上がりますので、とても心地良い響きを得ることができます。
今回、ご紹介のモデルは、そんな「3シリーズ」の中でもとても稀少な仕様の「 KD-3 Standard 」です。
KD-3 Standard
ルックスはいたってシンプルなドレッドノートスタイル。
K.Archery Guitars 代表 沖野氏の拘りである、余分な装飾を排除した「シンプル」な仕様です。どのモデルにも言えることですが、楽器の本質であるサウンドに集中し、素晴らしいバランスを持っています。
「いったいどこが珍しい仕様なのか?」と言いますと、実はバック&サイドの材料の組み合わせにあります。
通常のK.Archery Guitarsのドレッドノートスタイルのバック&サイドは、インディアンローズウッドを採用しています。しかし、この「KD-3 Standard」はサイド材にはインディアンローズウッド、バック材にはマホガニーを採用しています。
沖野氏のイメージするドレッドノートは、ローズウッドバック&サイドを用いて基本設計されています。マホガニー材は氏のイメージするサウンドより音が柔らかく、狙ったトーンを手に入れ辛いことから、ほとんど製作されていませんでした。しかしながら、マホガニーバック&サイドの所謂「18スタイル」の要望があったのも事実です。
そんな中、沖野氏のイメージするサウンドを「18スタイル」で実現させたのが、この「KD-3 Standard」というわけなのです。
クラシックギター製作などで見受けられますが、サイド材に合板を使用することで音の輪郭をはっきりとさせ、芯のあるトーンを生み出すことがあります。(一部手工家が製作したスチールギターでも見受けられます。)
このモデルでは、そもそもバックとサイドに別の材料を使用して同じ効果を得ています。
サイド材をローズウッドにすることで、表板(サウンドボード/イングルマンスプルース)と裏板(バック材/マホガニー)がしっかりと鳴るようにチューニングされています。サウンドは、しっかりマホガニーのトーンなのですが、音がぼやけず、甘くなりすぎない、沖野氏らしい仕上がりだと言えます。
材料の色味もローズウッドに合わせてあり、見た目のバランスも違和感がありません。
ぜひ一度店頭で体感していただきたいと思います。
※ K.Archery Guitars 「KD-3 Standard」の詳細はこちらからご覧いただけます!
サウンドサンプル動画
「KD-3 Standard」のサウンドサンプルです。ぜひご参考にしていただければと思います。