1950年代から始まったエレキギターの歴史。その歴史の中で伝説/伝統となり、後世にまで影響を及ぼすサウンドがありますが、その一つがエリッククラプトン(以降EC)が生み出したギターサウンドだと思います。
ECはヤードバーズ時代にVOX AC30をメインで使用したと言います。この時代からAC30は上質なクランチ/オーバードライブサウンドを生み出すアンプとして、多くのギタリストに愛用されていました。ECはテレキャスターとAC30で普遍的な「ロックのお手本」的サウンドを生み出します。
時には深いディストーションサウンドも聞かせています。1965年の作品なのでペダルを使ったとすればMAESTRO FZ-1を使用していると思われます。
その後、ジェフベック、そしてジミー・ペイジがヤードバーズに加入。特にベックはレスポールで厚みのあるディストーションサウンドを生み出しています。
クラプトンはその後、さらにストイックにブルースを追い求め、ブルースジョンメイオール&ブルースブレイカーズに加入。
ジョンメイオールではレスポールと2×12のマーシャル製コンボアンプ、通称ブルースブレイカーアンプを使用。ややダークで深く歪むアンプサウンドに、パワフルでしっかりとしたミッドレンジのハムバッカーピックアップを組み合わせる事で生まれる「クリーミーなドライブサウンド」は衝撃的なほど音楽的で、以降のギターサウンドのお手本となる音となります。また、場合によりトレブルブースターを使用する事で、突き抜けるように強力なミッドレンジをギター側のボリューム、トーンというコントロールだけで制御し、多彩な音色を聞かせています。
その後、クリームに加入したECはギターをSGやES-335に持ち替えます。バンドはさらに激しいサウンドを生み出し、それに合わせてアンプにもさらなる音量を求めます。この頃からJTM-45の100Wバージョン(LEAD100 AMP)などを使用。基本的な音色はJTM-45から変わりませんが、大音量パワー・アンプ部分から生まれるコンプレッション感、SAGなど、どこか有機的なサウンドが特徴的です。
その後、アメリカに渡ったECはフェンダーやミュージックマンというアンプを使用し、ギター自体もややおとなし目の出力となる1956年ごろのストラトキャスターに変更。クリーンサウンドをベースに、様々なアーティストとのコラボレーションを続けます。「歌」をより強調した様なギタープレイに変化する過程が伺えます。
クラプトンのサウンドはこれ以降も進化を続けますが、基本となる音色はこの辺りまでのサウンドになると思います。つまり、大きく3種類くらいのサウンドだと言えます。
・初期のクリーン/ナチュラルオーバードライブサウンド
・中期の深いディストーションサウンド
・後期のややソリッドなクリーンサウンド
無理やり3つに分けましたが、実は同じ機材で十分にカバーできます。シングルチャンネルのマーシャルタイプのチューブアンプ(整流管仕様だと最高ですね)やVOX AC30のノーマルチャンネルで基本のサウンドはほぼ出来上がります。
もっとも、ECはレコーディングのお気に入りアンプにフェンダーのツインアンプを挙げています。このアンプはフェンダーアンプでありながら、JTMマーシャルの様なサウンドも兼ね備えています。キースリチャーズとクラプトンが買い占めている、と言われるほどお気に入りのアンプの様です。
そして、最近のECのサウンドはさらに生々しいツィードアンプのサウンドに感じます。少しファズっぽくもあるドライブサウンドとシンプルなブルーズフレーズは他の何物にも代えがたいサウンドではないでしょうか。
ギターのトーンは基本、絞り気味でサウンドをメイク。ギターのミッドブースターはワウ半止めの様なサウンドをつくり出しますが、さらにワウを加えて派手なフィルター効果を聴かせています。
近年の名曲でも、やはり小型アンプがドライブした様なサウンドでキメています
と言う訳で、ECサウンドにはツィードやJTMマーシャルの音が欠かせないのですが、なかなか、本人と同じアンプという訳にはいきません。そこで、フーチーズ のおすすめアンプをご紹介します。
それが、このHGアンプのHGT-IIIです。このコンボアンプはゲインとボリューム、そしてリバーブのミックスというコントロールになります。そう、トーンコントロールを用意していません。
それもあって、とても太いサウンドでありながら、スピード感もあります。ジェンセンの10インチスピーカーを搭載し、4×10のツイード・ベースマンの様なサウンドが小音量で得られます。マイクで録音すると信じられないくらい、いい音で録音できます。
と言う訳で論より証拠。撮ってみました。
ギターはもちろん、クルーズのSECです。このギターは本当にすごい。何が凄いのかと言うと、まんま「あの音」が出るからです。
こちらです。
いかがでしょうか。ギターとアンプだけでこのサウンドバリエーション。
セッションに持って行けるサイズ。家でも外でも使えます。つまり、いつもこの音が得られると言う事です。
是非、店頭でお試しください。
村田
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