【連載コラム】USAGI NO MIMIの楽しみ方(40代男性の場合)U2 “All That You Can’t Leave Behind”

40代、村田です。
今回はU2の名盤、All That You Can’t Leave Behind を聞いてみます。

この先品に関しては有名であり、ヒストリーなどに関してはネット上に様々な情報が溢れておりますのでご興味を持った皆様は是非、そちらも探ってみてください。こちらの投稿ではサウンドに関して、このアルバムの面白さを掘り下げてみたいと思います。

このアルバムは2000年に発表されました。80年代のU2はクラシックロックをベースに、パンクとニューウェーブのエッセンスを加えて、個性を磨いていたと思います。いや、パンク/ニューウェーブをベースにしながら、クラシックロックの延長線にバンドの存在を置いていたのかもしれません。パンクとフォークの体制、ニューウェーヴのサウンドメイクをロックバンドとして演奏していた様な印象を(私は)持っています。

THE EDGEがiTunesで選曲したプレイリストをみてください↓

ヴェルヴェッツ、ラモーンズ、ツェッペリンからボウイ、パティスミス、ボブマーレー、テレヴィジョン、スーサイド、レナードコーエン、ジャックガラットからカニエまで。

おそらく、U2をきちんと聞いたことがない人達はU2のギタリストが「こう言ったプレイリスト」を並べていることを不思議に思うかもしれません。「え?あの売れてるポップソングを演奏する人たちでしょ?」と。それは大きな間違いで、U2がすごくて、面白いのは「物凄いポップソングに混じって辛辣なリリックと毒気のあるサウンドが存在すること」にあると思います。

あまり長く書くとコアなU2ファンに怒られそうなのでこの辺でやめておきますが、要するにU2は非常に「毒っ気」をもった「世界で最も売れているロックバンド」であるということになるでしょうか。多分その「毒っ気」の多くはボノとジエッジにありますが、意外とアダムが「毒っ気、多め」な気もしています。ラリーはあまり毒っ気ないかも。

話をアルバム、ATYLBに戻します。

この曲はあまりにも売れた”Beautiful Day”の印象が強すぎて、アルバムを持っているけど、まともに聞いていないという人もいました。勿体無い。

ちなみに、iTunesではApple Digital Masterに対応したフォーマットで配信されており、よりリアルなサウンドで視聴可能です。

このアルバムは本当に面白いと個人的に思います。今回USAGI NO MIMIで聴いて、ますます面白くなりました。

大ヒットした”Beautiful Day”一つとっても、シンプルな楽曲でありながら非常にパワーが感じられます。面白いのが淡々とした曲構成でありながら、サウンドが随所で切り替わって、曲を飽きさせないところにあります。

USAGI NO MIMIで上記のApple Digital Master 配信の音を聴いてみて… 改めて、最初の心臓の音(?)でヤラれました。この音、すごくないですか?出せそうで出せない、普通じゃない音だと思います。イーノっぽいというか、個人的には「神経にくる音」です。Youtubeの方ではそう感じませんが…

“You’re on the road…” あたりのギターの音の生々しさ。こんな音で録れますか?

最後のサビの後ろの謎のシンセの絡みかた。

今回USAGI NO MIMIで聴いて、その奥行き感に驚きました。

最後の歌詞「What’s you don’t have you don’t need it now」辺りからサブ・ベースが加わり、曲をパワフルに聴かせていたり…一聴すると「普通の曲」なんですが、細部に非常に細かい仕事を感じます。
この頃たしかADAMのベースアンプはAsh Downでした。ABM500にはオクターバーが内蔵されていましたね…と思い出したり(曲中のサブベースはドラムにかかっていると思います)

「MDプレイヤー」で聴いていた当時、そんな細かい事まで分からなかったなぁーと実感しました。iPodでも分からなかった。事かもしれません。つまり、良い環境で音楽を聴いていなかった!

次曲のStack in a moment はもう…ドラムの音だけで一曲聴けますよね。え?聴けませんか?
僕はこのドラムと 「ドラムの音だけ」で満足してしまいます。

そして、Elevationですが… 本当に羨ましいくらいに「遊びまくって」います。

まずイントロのファズワウ。ファズとワウじゃ出ないんですよね。ファズワウじゃないと。Kay FUZZ TONEじゃないと…ってもうあのペダル使ったらこのイントロしかできなくなりますよね。このイントロの影響力の強さは相当で…後にブティック/ハンドメイド系ブランドからこのペダルのレプリカが発売されましたよね。オリジナルペダルも値上がりました。全く、余計なことを…

さらに曲中のバッキングギターの音。これはKAYの音ではなく、おそらく別の加工だと思われます。ライブでもKAYは使用していので、もしかしてKORG A3など使っていないかしら…なんて考えたり。

アイソレートした? ハイパスサウンド+ファズ。そしてソフトにピッキングしないと出ない感じ。ギターサウンドというよりシンセのサウンドですが、このポップな楽曲にこの音を合わせるセンス。途中、トレモロも入ってきて…もう完全にカオスです。

でも全然カオスに聴こえないんですよね。これをインディーバンドが似たような解釈でやっても、こうはならないでしょう。ブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワの力量だと思います。このアルバムの前後でダニエルラノワ・プロデュースのウィリー・ネルソン “Teatro”(1998年)というアルバムを聴いてみると、ダニエル・ラノワのテイストが良くわかります。ギターサウンド録り方や雰囲気に通じるものを感じます。

また、こちらのブライアンイーノのアルバム収録のKITE II (1999年)という曲を聴いてみてください。このギターサウンドも、かなりすごいと思います。「出せそうで、出せない音」シリーズ。でも出せる様に努力するとギターが上手くなるシリーズです。単なるシンセ系アンビエントではなく、アコースティック楽器の素晴らしさも引き出せるのがブライアンイーノのすごさであり、立体的な空間を作る技だと思います。このテイストをロックバンドに持ち込む事の面白さ、です。

ちなみに、上記ウィリーネルソンのアルバムと、ブラインアンイーノのアルバムを同時にかけてみると面白いと思います。全然違うジャンルなのに、なんだか良い雰囲気に仕上がります。


他にも名曲揃いですが、個人的に猛烈に惹かれる曲が”NEW YORK”という曲。

誰かに聴かせても、もれなく「何がそんなに?」と言われてしまいますが… どうしようもなく好きなんです。LIVEバージョンはもっと好きです。

とにかくギターの音が最高にかっこいいと思います。思わずSobbat DB-1をポチッと買いたくなる音ですね。それとリズムトラック。どうやらwikiによるとラノワ&イーノがベーシックを作り上げたと…なるほどそれで!

… これ以上書いていると仕事に支障をきたしそうなのでやめておきます。
というわけで今回はUSAGI NO MIMIでU2 “All That You Can’t Leave Behind”を聴いてみました。

最後に、USAGI NO MIMI関係ないですが、このライブを是非観てみてください。


日本国内ではあまりメジャーな作品ではないかも知れませんが、素晴らしいライブ作品だと思います。これ以降、多くのバンドがこの演出を「かなり」真似していると思います。ある方面では「U2が来日すると、以降のライブ演出/機材が様変わりする」と言われているとかいないとか…

また、このDVD作品のミックス/マスタリングにはスティーブリリーホワイトとTHE EDGEが参加しており、ややダーティーな音が最高なんです。あまり賛同されませんが笑。

ちなみに、THE EDGEはリモートでAbby road Studioのコンソロールにアクセスし、ミックスに参加していたとか。すごい。

The band could not be physically present to give feedback, as they were still on tour, so guitarist the Edge collaborated with Lillywhite and Harris remotely on the mixes.
Using technology provided by Rocket Network, the Edge used an interface at Abbey Road Studios to access the mixes on secure servers and make edits in Pro Tools, which were then shared with Lillywhite and Harris.

wikipedia


紹介しておいて何ですが、是非YouTubeではなく、DVDでみていただきたい作品です。

ではまた!

MWrata

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