次世代型アンプ Suhr PT15 I.R.について

ヘッド+212キャビネット・セット
メーカー希望小売価格:¥610,000(税抜)
店頭販売価格:¥518,500(税抜)

今回はSuhr PT15 I.R.について書きたいと思います。昨年、豊洲で行われたピート・ソーンクリニックにも参加してきましたがとても素晴らしいアンプです。当日デモンストレーション演奏と公開レコーディングが行われましたがPCとギター、ボード、インターフェース、PT15 I.R.だけで極上のサウンドが作り上げられてました。操作性も簡潔で扱いやすく設計されております。さすがSuhr。

サウンドに関してはピート・ソーンご本人が解説しているこちらの動画を参考にして頂き、ここで話されていることをまとめながら補足情報も加えて書いていきます。

コントロールとチャンネル

CLEAN CH×1、DRIVE CH×2の3CH仕様、PRESENCEは全CH共通です。

一番左のCLEAN CHにはMIDコントロールがありませんが、BASS/TREBLEのバランスで相対的にMIDレンジが可変します。あたたかみのあるサウンドから煌びやかでキレのあるサウンドまで幅広くカバーできます。

このPT15 I.R.ですが2つのDRIVEチャンネルはほとんどキャラクターが変わりません。

例えばですが…みなさんにお気に入りのアンプが1台あったとしてGAIN9時のクランチサウンドとGAIN13時のドライブサウンドがそれぞれ最高だとします。

普段、基本をクランチ設定。ペダルによるプッシュでドライブサウンドを出しているけど、アンプ単体でドライブさせた時の音の方がよっぽどいいんだよな。

なんてことがありますよね?これです。特にPete Thorn氏はセッションギタリストです。楽曲の中で歪みの量を変えた時でもあまりキャラクターにバラ付きが出ない方がより利便性が良いと判断したのでしょう。キャラクターを変えたいときはペダルで変えることができますもんね。回路上の順番があるので多少音は違いますが(左のCHの方が若干クリーンな印象)キャラクターとしてはほぼ同じです。

また全体的な傾向として万能で癖のない扱いやすいサウンドです。様々なジャンルの“理想的なサウンド”をいとも簡単に作り出せます。この辺りに数多くのアーティストの現場を支えるプロギタリスとしてのPete Thorn氏の拘りがみえます。このアンプを使えば俺の音が出るぜ”という類のシグネチャーアンプではないことがわかります。確実にプロの現場仕様。

他のアンプと何が違うのか

PT15 I.R.は世界で初めてリアクティブロード&インパルスレスポンス(IR)をビルトインさせた次世代型チューズアンプです。これはどういう事かというと…

真空管アンプにアッテネーターとキャビネットシミュレーターが組み込まれているということです。つまり真空管アンプにSuhr REACTIVE LOAD I.R.やOX AMP TOP BOX、Two Notes Torpedo Studioが内蔵されているようなモノです。ピート・ソーン本人もクリニックでSuhr REACTIVE LOAD/I.Rを手に持ちながら「このアンプにはこれが入ってるんだよ!」と説明してました。

つまり「自宅で真空管アンプを”いい音”で鳴らしたい」「自宅でサクッと高音質なレコーディングをしたい」という願望をこれ1台で瞬時に叶えてくれます。

本来であれば真空管アンプ、アッテネーターやキャビネットシミュレーター、スピーカーケーブルは計何本必要で〜と色々準備しなければなりませんが、
PT15 I.R.であれば全てビルトインなので規格が合うか?相性は?接続方法は?など考えずに手に取ってすぐに使えてしまう訳です。

ではまずリアクティブロード(アッテネート機能)とヘッドフォンアウトの部分について触れていきましょう。

OUT PUTセクション上段のREACTIVE LOAD PARALLELに接続するだけで出力が理論上1/2になります。ご自宅で使用する場合にキャビネットから音が出せる環境であればこちらの使用方法がオススメです。(下段の赤い方のジャックに端子を挿すとアッテネート機能はキャンセルされます。)

ヘッドフォン必須の環境の場合でもI.R.回路(キャビネットシミュレーター)を通った高音質な”聴けるサウンド”になります。更にはAUX入力もあるので外部機器から再生する音源に合わせて練習も可能です。次にキャビネットシミュレーター機能について書いていきます。

キャビネットシミュレーターってPCで操作したりややこしいんでしょ?

と思う方もいらっしゃると思います。ですがPT15 I.R.には16種類のプリセットがデフォルトで内蔵されており、さらに本体ボタンで切り替え選択操作が可能なのです。

内蔵のプリセットには
キャビサイズ:4×12、2×12、1×12
スピーカー:Greenback、Creamback、V30、V-Type
マイク:ROYER 121、SM57
などが実用的な組み合わせで、その他にもPete Thorn氏のオリジナルプリセットがいくつか入っております。

もちろん外部のI.R.データをダウンロードしアップデート、カスタムすることも可能です。

レコーディングで使用する場合は

LINE OUTからインターフェースに接続するだけです。外部プラグインでサウンドを作り込みたい場合にはI.R.回路をバイパスすることもできます。

またLINE OUT使用時でもOUT PUTセクションは稼働しているのでキャビネットからも音を出すことが可能です。

ライブで使用する場合も

OUT PUT→キャビネットを鳴らす/LINE OUT→PA卓に送る
ことで生音とシミュレート音のMIXサウンドを作ったり、ステージモニターとしてキャビネットを鳴らしI.R.出力をメインサウンドにしたり、キャビネットのリアルマイキングをメインサウンドにしてイヤモニorフットモニターにI.R.サウンドだけを返してよりクリアなモニタリングを行ったり…とかなり拡張性があります。

スペック

出力 :15 Watts
フロントパネル :Input、Aux Input、Headpnhone Input、IR Level(CH1) Bright Switch、Gain 1、Bass、Treble、Level 1(CH 2/3) Bright 2/3 Switch、Gain 2、Gain 3、Bass、Middle、Treble、Level 2、Level 3、 Channel Select Switch、I.R.Bank Select Butoon、I.R. Cab Select Button、I.R. LEDs、Power & Stand By switch
バックパネル :H.T. Fuse、Mains Fuse、Mains Input、Reactive Load Parallel Output、Reactive Load Disconnected Output、Impedance Selelctor、FX Loop Send、FX Loop Return、Footswitch (TRS) jack、Balanced/Unbalanced Line Out、I.R. Filter Bypass Button、USB Jack
真空管 :6V6GT x 2、12AX7 x 5
FX Loop :チューブドライブ・バッファード
メインヒューズ :T1.5A/250V (Slo-Blo) – 100VAC
H.T.ヒューズ :F.5A/250V (Fast-Blo)
I.R.フォーマット :.WAV、Mono、24bit、48kHz、20.5ms(20.5msを超える長さのI.R.は20.5msに切り詰められます)
I.R.アウトプットレイテンシー :1.2ms
寸法 / 重量 :521mm x 209mm x 235mm / 約11.2kg

いかがでしたでしょうか

セットのキャビネットもGreenbackとV30の2×12仕様ですので幅広いレンジで汎用性があることがわかります。Bognerもこの組み合わせでキャビを作ったりしてますよね。

このPT15 I.R.さえあれば自宅練習、自宅レコーディング、ライブ、機材レビューなんでもできる優れものです。これから人生初のチューブアンプを手に入れるところ、モダンなアンプも1台欲しいと思っていたところ、環境に左右されずどこでも安定したサウンドを出せるシステムが欲しかった…そんな方々にオススメです。おそらく誰が弾いても即座にいい音が出てしまう…とても魅力的なアンプなのです。

是非店頭で一度お試しください。

渋谷店 ニシキド

追記 2020/02/20 こちらのアンプのI.R LINE OUTを使用して録音した動画をアップしました。是非ご視聴ください。

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