ルーパー使用でギターを弾く時間をより楽しく。【ルーパーの歴史と活用法】

いつもありがとうございます。フーチーズ渋谷店ニシキドです。

ひとり遊びのススメという”お家でルーパー使って遊びませんか?”シリーズの動画が増えてきたのでルーパーの歴史や活用方法などについてまとめてみたいと思います。

撮影時に使用したCrews Maniac Sound CP-01、HGT HGT AMP IIIなどの機材に関しては下記のコラムをご覧ください。

動画では基本的に同じコード進行のループで完結する楽曲を演奏していますが、複数チャンネル仕様のルーパーや1ch仕様でも書き込み/取り消し機能をうまく使えばコード展開のある楽曲も演奏できます。

実際にルーパーを使って演奏するときのポイント

動画の様にギターだけで様々なパートの役割を担う場合、同じ帯域に全てのフレーズがあるともちろん埋もれてしまいます。それぞれのフレーズの音量や帯域のバランスに拘ることでより気持ちの良いアンサンブルを作ることができます。

曲の雰囲気やジャンルにもよるかと思いますが、例を簡単に挙げると
・ドラムパート:キックの低域とスネアの高域を強調したいのでレンジ感の広いブーストペダルでボリュームを持ち上げる。
・ベースパート:トーンを大きく絞り、低域とうねりを強調。ピッチシフト系のエフェクトでオクターブ下の音を出しても良いかと思います。
・ギターパート:ローカットしシャリンと響くようなクリアで明瞭な音を意識。
・ヴォーカルパート:ミッドレンジがよく持ち上がる歪みを用いて太めで抜けてくる音に。
などでしょうか。

特にルーパーが1ch仕様の場合、ループ音量やEQをフレーズ毎に設定することができませんので手元のコントロールやペダル類など、ルーパーの手前で簡易的なミキシングを行いながら演奏する必要があります。動画内でギター本体手元のコントロールをよく調整しているのはそのためです。

練習や作曲にも最適

セッションイベントやライブに参加する際、所謂スタンダードな課題曲が存在すると思います。それらのコード進行をルーパーで反復させアドリブの練習をするのにも活躍しますし、作曲する際にコード進行は決まっていてメロディーやギターソロを考える、なんていうシチュエーションでも活用できますね。

ルーパーの歴史

起源的、概念的な話をすると1944年にレス・ポール氏(Les Paul)が発明した「Les Paulverizer(レス・ポールヴァライザー)」が元祖と言われております。これはギターに取り付けられた“Black Box”でレコーダーを遠隔操作し、演奏した音を瞬時に録音、そこに音を重ねていくことができるというものだったようです。

そして70年代には、King Crimsonを活動休止させ、ブライアン・イーノ(Brian Eno)などの現代音楽家とのコラボレーションを行っていたロバート・フリップ(Robert Fripp)は「Frippertronics(フリッパートロニクス)」という機器を生み出しアナログテープでプレイバックさせたフレーズに、さらにフレーズを重ねていく手法を編み出しました。

テープエコーといえば、でおなじみECHOPLEXにも「SOUND ON SOUND」という機能があります。しかしながら録音された音が何分か後に突然再生されるというモノなので、なかなか普通に使うには技術とセンスが必要になりますね。

やがて80年代に入るとディレイが登場するわけですが、エレクトロハーモニックスは16秒ものディレイタイムを持つその名も「16 SECOND DEGITAL DELAY」を発表。衝撃的な機材となりましたが、こちらも当時うまく使えるミュージシャンが少なかったようですね。しかしながらジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)はMXRのラックエフェクト「digital delay」を2台うまく活用しSlangを演奏していました。凄い。

1983年 BOSSから登場した世界初のコンパクトタイプのデジタルディレイ「DD-2」に実装された「HOLD」機能では、反響音を永遠に持続させるという、いわばショート・ループ機能が備わっておりました。BOOWY時代の布袋さんが効果的に使用されていましたね。

そして、「ループ」という言葉がはじめて登場したのは、1993年にParadis Guitarsより発売された「Paradis LOOP delay」だと言われております。さらに広くその存在を世に知らしめたのはジョン・スコフィールド(John Scofield)などが愛用した 「Boomerang」ペダル。そしてLINE6 「DL-4」の登場が多くのミュージシャンを刺激しました。

その後2001年にはBOSS RS-20が登場し、KTタンストール(KT Tunstall)やエド・シーラン(Ed Sheeran)などメインストリームのアーティストによるパフォーマンスが火付け役となり、広く認知され、手軽にシステムに導入することのできる身近でポピュラーなペダルとなりました。

現代のアーティストによる魅力的なルーパーパフォーマンス

ルーパー活用法の参考になるかと思います。オーディエンスの前でリアルタイムレコーディングしアンサンブルを作っていくので難易度は高めではありますが、音楽性やパフォーマンスの可能性をより一層高めてくれること間違いナシです。是非チャレンジしてみてください。

まず最初は弊社社長のオススメ、タッシュ・サルタナ(Tash Sultana)です。

ジミ・ヘンドリクス(Jimi Hendrix)由来のサイケデリックで宇宙的な畝りを感じるプレイスタイルですが、ネオソウル的な要素もありエリカ・バドゥ(Erykah Badu)らの影響が感じられます。(特にボーカルスタイル) バドゥもエレクトリックレディスタジオでレコーディングをしていたりするのでつまりジミの〜…おっと危うく話がループするところでした。

そしてもはやペダルルーパーだけの領域ではなくなってしまうのですが個人的に好きなのはジャック・ガラット(Jack Garrat)です。彼はDAWソフトABLETON LIVEとサードパーティのプラグインを使用してサンプリングしているようです。

わかりやすくスタジオライブでのパフォーマンスをご紹介しましたがライブ映像も是非ご覧になってみてください。ブーミーなシンセサウンドの中に渋めのギターサウンドを絡めてきて非常に興味深いです。意外とバックボーンがギタリスト然としておりスティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)やB.B.キング(B.B. King)からも影響を受けたそうです。

2016年のデビュー作以来…期待して待ってたのですが遂に6月頃に待望の新譜がリリースされるようです。一部先行配信されてたので店頭のUsagi no mimiにて「Time」を早速チェックしてみましたがエグいほどかっこよかったです。。。あちらこちらにサンプリング音を飛ばし、ドラムとリズムトラックは地下深いところから地鳴りがグワーっと押し寄せてくるかのような感覚。追い討ちで硬質なギターの音と熱いヴォーカルでぶん殴られているかのようなそんな楽曲でした。

ギター1本でとことんやりきるのであればダスティン・ウォング(Dustin Wong)らが参考になります。

極限です。彼の場合、電子音要素が入ったギターオーケストレーションといったスタイルですが、アンビエント系スタイルのプレイヤーでも素晴らしい方がいらっしゃいますね。

バンドのアンサンブルの中で使用するならマイナスザベアー(Minus The Bear)のルーパー使いが革新的です。

彼らの場合はLine6のディレイペダルDL-4のルーパーモードを使用してますが、曲中にリアルタイムレコーディングをしながら録音したフレーズを倍速再生したり、モジュレーションを掛けてたりして+αのフレーズをまるでシーケンスかのようにバンドのアンサンブルに加えていきます。映像の曲ではイントロのフレーズをアウトロ付近で倍速にして繰り返し再生しております。

いかがでしたでしょうか。想像以上に多彩なサウンドが得られるルーパー。手軽な1ch仕様のものでも工夫次第で様々な使い方ができます。1台あるとギターを弾く時間がいつも以上に楽しくなりますよ。是非導入してみてください。

渋谷店 ニシキド

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